よくあるご質問

「残業代は出ない」という約束で入社した場合でも、残業代を請求できますか?

雇用契約で、「残業代(割増賃金)を支払わない」と定めても、法律上の効力は認められません。

なぜなら、時間外労働、休日労働や深夜労働に対する残業代(割増賃金)の支払いは労働基準法(労基法)37条で使用者の義務とされています。

「残業代(割増賃金)を支払わない」という合意は、労基法37条に違反するため、「無効」だからです(労基法13条)。

 

では、「残業代(割増賃金)は基本給に含まれている」という契約だったらどうでしょうか。

なんとなくゴマカシのような話ですが、「払わない」のとは違う、というわけです。

裁判例によれば、そのようなやり方が許されるためには、

①基本給のうち時間外手当に当たる部分を明確に区分して合意しており、

②労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を支払うことを合意している、

ということが必要とされています。

①を具体的に言うと、「基本給30万円のうち、4万円は時間外手当として支払う」とか「基本給20万円のうち10%は時間外手当として支給する」というように、「基本給のうち、具体的に『いくらが』残業代として支給されているのか」が明確になっていなければならないということです。

したがって、そのような金額を明示せず、単に抽象的に「基本給の中に残業代は含まれている」とかというような形で合意しているだけでは、使用者は残業代を支払っていることにはなりません。

なお、「基本給」以外に「〇〇手当」などの名目で毎月一定額が支給されている場合に(例:「営業手当」「職務手当」など)、使用者が「〇〇手当は残業代として支給したものだ」と主張するケースもあります。

詳しくは、「固定残業代について」をご参照下さい。