残業代の事件に力を入れている理由は、一言でいえば「長時間労働があたりまえの社会を変えてゆきたい」ということです。
「過労死」や「過労自殺(自死)」といった言葉に現れているように、長時間労働は働く人の心身を壊し、時には死に追いやってしまいます。死亡するところまではゆかずとも、長時間労働によって健康を害したり、「うつ病」などになってしまう例は数多くあります。
そして、そういった悲しい事件が起こってしまう職場の多くでは、「残業代の未払い」が常態化していることが多いのです。
というのは、残業代をきちんと支払わない雇い主というのは、多くの場合、労働者に「ただで」長時間労働をさせることを当たり前だと考えている雇い主ですから、当然、労働者の健康や家庭生活にも、十分な配慮をしていません。
残業代をきちんと支払わせることによって、雇い主に「長時間労働をさせてはならない」という動機付けを与えることが、ひいては、過労死・過労自殺の撲滅や「健康・安全に働ける社会」の実現につながるものと考えています。