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よくあるご質問

Q残業代の時効が3年になったのはいつからですか?

執筆者 弁護士 友弘克幸(大阪弁護士会所属/西宮原法律事務所

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残業代請求には「時効」がある

未払い残業代を請求する権利には、3年の「時効」があります

(請求する権利が消滅してしまうので、正確には「消滅時効(しょうめつじこう)」と言います。)

時効によって権利が消滅する前に、時効の完成を防ぐための措置(例:裁判の提起、労働審判の申立てなど)をとる必要があります。

 

時効の起算点は、通常「支払期日の翌日」

残業代の時効の起算点は、通常、「雇用契約で定められた支給日の翌日」となります(佐々木宗啓ほか編著「類型別労働関係訴訟の実務・改訂版Ⅰ」262頁)。

たとえば、残業代を「15日締め・当月25日払い」で支払うとしている会社であれば、2020年5月15日締め分は、支払期日が2020年5月25日です。通常、給料日といっても労働者は午前0時ぴったりに給料を受け取れるわけではなく、給料日の会社の営業開始時刻(多くは午前8時とか午前9時などでしょう)以降に受け取ったり、あるいは銀行に振り込んでもらえるわけですから、民法140条本文の「初日不算入の原則」が適用されます。したがって、時効そのものは2020年5月26日から進行するわけです。

(民法140条)

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

なお、就業規則などで、残業代以外の賃金(基本給など)と残業代の支給日が異なっている場合もあるため、注意が必要です。

 

残業代請求の時効は「2年」から「3年」になった

残業代の消滅時効期間は、2020年3月31日以前は「2年」でしたが、労働基準法の改正により、

2020年4月1日以降は「3年」となりました。

なお、ここでいう「2020年3月31日以前」とか「2020年4月1日以降」というのは、働いた期間ではなく、「賃金の支払期日」が基準となります

たとえば、「15日締め・当月25日払い」の会社であれば、次のようになります。

2020年3月15日締め分は、支払期日が2020年3月25日ですから、時効は「2年」。

2020年4月15日締め分は、支払期日が2020年4月25日ですから、時効は「3年」。

 

なお、以上の区別は、請求する方がいつから勤務していたか、ということとは関係がありません

たとえば、何十年前も前から勤務している方であっても、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金に関しては、時効は「3年」となります。

 

執筆者情報

弁護士 友弘 克幸(ともひろ かつゆき)

1979年大阪生まれ、京都大学法学部卒業。

大学在学中に司法試験に合格し、司法修習生を経て、2004年に弁護士登録(大阪弁護士会)。

以来、不当解雇・残業代請求など、主に労働者側で多数の労働事件を担当している。

2018年4月、労働調査会より「よくわかる未払い残業代請求のキホン」を出版。

2019年10月~2021年10月、大阪労働者弁護団の事務局長を務める。

2020年4月から5月にかけて、5回にわたり、朝日新聞の「コロナQ&A」コーナーにて、コロナウイルス感染症の感染拡大にともなって生じる労働問題に関してコメントが掲載された。

また、「労働法について多くの方に知ってもらいたい」との思いから、一般の方々、労働組合・社会保険労務士・大学生等に向けて、労働法や「働き方改革」について多数の講演を行っている。

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