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残業代をめぐる裁判例

弁当チェーン店の店長について、「管理監督者」に当たらないと判断された例(大分地裁H29.3.30)

作成者:西宮原法律事務所

大分地裁H29.3.30プレナス(ほっともっと元店長B)事件 労働判例1158号32頁

【事案の概要】

弁当チェーン店(ほっともっと)の元従業員による時間外労働の割増賃金請求。

原告は、入社後3か月後に「店長」に昇格し、退職時までその地位にあった。

 

【主な争点】

「店長」であった原告は、「管理監督者」(労働基準法41条2号)に当たるか。

 

【判旨】

原告は、「管理監督者」には該当しない。

(理由)

・クルーの採用等の人事やワークスケジュール表の作成など店舗運営に関する一定の権限を有しているとはいえるものの、その職務内容、責任と権限に照らしてみると、主体的な関与は乏しく、被告の経営に関わる重要な事項に関与しているとは言いがたい。

・勤務時間について自由裁量が認められていたものの、実態とすれば、クルーが不足する場合にその業務に自ら従事しなければならないことにより長時間労働を余儀なくされており、実際には労働時間に関する裁量は限定的なものであり、また、クルーと同様の調理販売業務に従事する時間が労働時間の相当部分を占めているなど、勤務態様も、労働時間等に対する規制になじまないようなものであったとは言いがたい。

・平成25年度の原告の年収は474万円であり、被告の社員の平均年収528万円を下回っていた。本件請求期間の約2年間において月300時間を超える実労働時間となっている月が13回に及んでいるような勤務実態があった。

→厳格な労働時間の規制をしなくとも、その保護に欠けるところがないと言えるほどの優遇措置が講じられていたものと認めることは困難。

 

【判決の意義】

法律上、「管理監督者」(労基法41条2号)に該当するときは、時間外労働や休日労働をさせても、割増賃金(残業代)は発生しないとされています。

このため、世間では、「店長」といった肩書きを持つ労働者を一律に「管理監督者」扱いとして、割増賃金を支払っていない企業が多くあります。

しかし、裁判所や行政(労働基準監督署)は、「管理監督者」に該当するための要件を厳格に解釈しているため、裁判では、「名ばかり」の管理監督者に過ぎないと判断され、割増賃金の支払いが命じられるケースが多くあります。いわゆる「名ばかり管理職」のケースです。

「名ばかり管理職」問題は、日本マクドナルド事件(東京地裁H20.1.28判決)でファーストフード店の店長の管理監督者性が否定され、注目されることとなりましたが、本判決も、(1)店長の権限、(2)店長の勤務実態、(3)原告の収入、という3要素を適切に判断して「管理監督者に該当しない」との結論を導いたもので、妥当な判断であると考えます。

 

【より詳しく知りたい方へ】

「管理監督者」については、当サイトの「管理監督者について」でも詳しく解説しています。

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